伏見人形の由来
最も古い郷土玩具

伏見人形は江戸時代後期に最盛期を迎えた最も古い郷土玩具です。
全国で90種類以上もある土人形のなかで、伏見人形の系統をひかないものはないと言われるほどの土人形の元祖であり、民俗的な美しさを誇っています。
当時、伏見街道沿いには、約60軒もの窯元が軒を連ねたが、現在では寛延年間(1750年頃)創業の当窯元、丹嘉のみ。

その起源はむかしむかし歴史に名高い野見宿称の後裔にあたる土師氏が統轄して土師部(土でいろいろなものを造る人)に土器を造らせていました。垂仁天皇の時代に朝廷より土師職に任命され、伏見深草の里に住んで、土器、土偶(土人形)を創りだし、ここに生まれたのが伏見人形です。

代表的なものは、稲荷大社の祭事に使われる耳土器をはじめ、お使姫のお狐さんや饅頭喰い、チョロケン、玉、でんぼなどがあります。現在残っている原型、土型は2000種ほどで、往時の風俗伝説を人形に表現したものがほとんどです。
ユーモアに富んだ面白さ、豊かな味、そしてその一つ一つに滲み出て来る庶民的な素朴さは、外国の人々にまで親しみを持たれています。

彩色

代表的な人形のご紹介

  1. 人形
    饅頭喰い

    二つに割った饅頭を両手に持つ、伏見人形を代表する童子です。「父と母のどちらが好きか」と問われ、饅頭を二つに割って「どちらがおいしいか」と問い返した、聡明な子どもの説話に由来します。子どもの健やかな成長や安産祈願、商売繁盛を祈願する人形として、古くから親しまれています。

  2. 人形
    疳の虫封じ犬

    三匹の小さな犬を重ね、紐で結んだ姿が特徴的な伏見人形です。子どもの「疳の虫」を封じ、健やかな成長を願う縁起物として伝えられてきました。子どもの無事と健康を願って家庭に飾る人形で、出産祝いや初節句の贈り物として選ばれてきました。

  3. 人形
    羽織猫

    羽織をまとい、片手を上げて福を招く、京都らしく粋でユーモラスな招き猫です。一般的に、左手を上げた猫は人やお客様などの良縁を招き、右手を上げた猫は金運や財運といった福を招くとされています。開店や新たな門出を祝う贈り物として、家庭や店先に飾る縁起物として人気です。左右を一対で飾れば、人の縁と財の福、両方の願いを招くとされています。
    (※左右は猫自身から見た向きです。)

  4. 人形
    千両狐

    伏見稲荷大社の神の使いとされる狐を、千両箱や扇と組み合わせた縁起人形です。古くから商売繁昌・五穀豊穣の神様として信仰を集める伏見稲荷大社。数ある狐がモチーフの人形の中でも、珍しい立ち姿のタイプ。商いや仕事の発展、暮らしの繁栄を願う気持ちが込められ、開店・開業などの節目を祝う贈り物に選ばれるほか、ご家庭や店、仕事場に飾る方も多い人気の人形です。

  5. 人形
    立雛

    伏見人形には、節句や季節行事にまつわる人形も数多く存在します。立雛は、二体の雛が並んで立つ姿を表した、シンプルで端正な伏見人形です。華美になりすぎない素朴な造形と、手仕事ならではの温かな彩色が魅力です。桃の節句に家族で飾り、子どもの健やかな成長と幸せを願う、季節の人形として古くから親しまれています。

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